大雨被害対策・野菜
令和5年7月13日
JA福井県坂井営農経済センター
坂井農林総合事務所
令和5年7月12日からの大雨で、野菜、果樹圃場への浸水、冠水が見られます。
土壌水分過多により、生育の遅延や根腐れが発生し、枯死する場合もあります。
また、病害も発生しやすくなります。至急対策をしましょう。
1 圃場排水の徹底
・圃場内の停滞水は、根腐れや軟腐病の原因となるので、速やかに排水させます。
施設野菜で施設内に水が浸入した場合、速やかに排水を行うとともに、換気を十分に行い土壌の乾燥を図りましょう。
・排水溝と落差のない圃場等では、圃場の隅に集水桝を設け、ポンプによる強制排水を行いましょう。
・冠水により茎葉が汚れた場合は、圃場の排水に努めるとともに、速やかに汚れを落としましょう。
2 草勢の回復
・根傷みや茎葉汚損により草勢低下が懸念される場合は、回復のため葉面散布を行います。また、天候が回復し畝間が乾いてきたら、早めに畝間を中耕して土壌中に酸素を供給し、根の回復を図りましょう。ネギの場合は、高温に注意し、根を傷めないように注意しましょう。
・果菜類では根傷みによる草勢低下を防ぐため、果数制限、果房の制限、若もぎなどで着果負担を軽減しましょう。
3 病害虫防除
・茎葉や果実が汚損して病害の発生が懸念されるので、適切な薬剤を予防的に散布しましょう。特にウリ科では疫病、つる枯れ病、炭そ病、ナス科では葉かび病、灰色かび病、アブラナ科ではべと病、軟腐病、黒斑細菌病等、ネギでは軟腐病の多発が懸念されます。(下表参照)
4 栽培管理
・秋作の播種や植え付けを予定している圃場では、排水路の再整備をして圃場の乾燥に努めましょう。
・植え付け直後のもので、降雨によって根が洗い出されたものは植えなおしや補植を行います。
・マルチを設置している畝が冠水した場合は、マルチ下の土壌水分が過多となりやすいため、マルチをはいだり、畝肩の部分までめくりあげたりして、畝の乾燥を促しましょう。
5 その他
・停滞水、冠水で被覆資材が汚損した場合は洗浄します。灌水チューブも目詰まりがないか確認して使用します。栽培資材を次作で使用する場合は、資材消毒を行い、病害の予防を行いましょう。
○病害の発生を抑えるため、防除の徹底を!!
共 通 | ・浸水等で損傷が大きい場合は、殺菌剤で防除する。 |
ハウス | ・ハウスを換気し、土壌の乾燥を行い、栽培適温で管理する。 |
露 地 | ・速やかに額縁排水の手直しを行い、圃場の排水を行う。 |
◎ 防除対策:天候回復後はできるだけ早く防除を行い、病気の発生を防ぐ。
作物名 | 主な病害 | 薬剤名 | 使用濃度 | 使用時期
(収穫前日数) |
回数 | 備 考 |
メロン・
スイカ |
つる枯病 | ロブラール水和剤
ダコニール1000 |
1,000倍
1,000倍 |
前日
3日前 |
4回
5回 |
台風通過後速やかに換気し、防除を行う。 |
トマト
|
葉かび病
灰色かび病 |
ダコニール1000
ベルクート水和剤 ゲッター水和剤 カリグリーン カンタスドライフロアブル |
1,000倍
3,000~6,000倍 1,000~1,500倍 800倍 1,000~1,500倍 |
前日
前日 前日 前日 前日 |
4回
3回 5回 ― 3回 |
排水対策、換気により湿度を下げる。 |
ミディトマト | 葉かび病
灰色かび病 |
ダコニール1000
ベルクート水和剤 ゲッター水和剤 カリグリーン カンタスドライフロアブル |
1,000倍
6,000倍 1,500倍 800倍 1,000~1,500倍 |
前日
前日 前日 前日 前日 |
2回
2回 3回 ― 3回 |
(同上)
|
キャベツ | 軟腐病 | スターナ水和剤 | 1,000倍 | 7日前 | 3回 | 排水対策を十分に行い、通過後速やかに防除を行う。 |
べと病
根朽病 |
ダコニール1000 | 1,000倍 | 14日前 | 2回 | ||
ネギ | 軟腐病 | カスミンボルドー
スターナ水和剤 バリダシン液剤5 ヨネポン水和剤 |
1,000倍
2,000倍 500倍 500倍 |
14日前
7日前 前日 7日前 |
2回
3回 2回 4回 |
(同上)
|
〇 今後も急激な降雨が発生することがあります。気象台等の雨雲レーダーには、随時注意し、ハウスの閉め遅れがないようにしてください。
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