台風10号の接近に伴う農作物等の管理対策について

福井県HPより

 

台風10号の接近に伴う農作物等の管理対策について

 

令和6年8月23日

福井県農業総合指導推進会議

 

1 共通事項

【用排水等の見回り注意】

・豪雨・強風の中、ほ場の見回りなどを行うと、河川や農業用水路への転落、ハウス損壊の危険があるので、大雨や強風が止むまで控える。

・大雨がおさまった後でも、増水した水路等の危険な場所には近づかない。

・降雨により、ほ場の畦畔や法面が崩壊しやすくなるので厳重に注意する。

・農作業中の熱中症対策に留意する。

 

<台風接近前の対応>

【ほ場の排水対策】

・大雨により、ほ場が冠水する恐れがあることから、排水溝を手直しする。特にこれまで冠水したことのあるほ場は、重点的に排水対策を実施する。

 

【園芸施設等】

強風に備え、フィルムや天窓等で破損している箇所がある場合は早急に修繕する。

フィルムの取付金具やハウスバンドを点検し、緩んでいる場合は締め直す。特に、外側に遮光資材を展張している場合はしっかり固定し直す。

・ハウスの地際部(基礎部)の地盤が浅くなっている場合は埋め戻すか土のうで固定する。またパイプが錆びて破損している場合は、直管パイプや木杭等で補強する。

(新設ハウスではアンカーを増設しておく。)

・周囲に防風ネット等が設置してある場合は、ネットが飛ばされたりしないように点検、補修を行う。

・施設の周辺にある風で飛ばされる可能性のあるものは片づけるか、固定しておく。

 

風が強くなってきたら、妻窓、天窓等破損しやすい箇所から順に閉める。

フェーン現象で日照があり外気温が高くなる場合は、風上側の開口部を閉め、風下側を解放してハウス内の温度上昇を防ぐ。

台風直撃による暴風が予想される場合は、開口部からハウス内に風が吹き込み破損する恐れがあるので、ハウスを密閉する。

・換気扇がある場合はハウスを密閉し、換気扇を稼働させて内部を負圧にしてハウスビニールのばたつきを抑える。

 

<台風通過後の対応>

・ほ場や施設が浸水した場合は、溝を切ったり、排水ポンプで強制排出する等、停滞水を速やかに排水し、24時間以上湛水状態にならないようにする(根部を守る)。

・ポリマルチをしているほ場が冠水した場合は、マルチを除去したり、畝肩の部分をめくり上げたりして土壌水分を低下させる。

・茎葉が損傷した場合は、出来る限り早急(可能なら台風が通過した直後)に殺菌剤を散布し、傷口からの細菌病等の感染を阻止する。

・強風が収まったら速やかにハウスの換気を行い、適切な温湿度管理に努める。

・施設や設備等の点検を行い、補修を行うなど現状回復を図る。

 

2 水稲

<台風接近前の対応>

・フェーン現象が発生すると稲体の水分が低下しやすいため、台風接近時は湛水する。

<台風通過後の対応>

・速やかに落水し、収穫前までこまめな間断通水を行う。

 

3 大豆・ソバ

<台風接近前の対応>

・排水溝や落水口の手直しを行う。

<台風通過後の対応>

・停滞水があれば速やかに排水する。

 

4 野菜【露地・施設共通】

<台風接近前の対応>

・果菜類は、不良果や不要な茎葉を除去し、株の負担を少なくし草勢の低下を防ぐ。

<台風通過後の対応>

・果菜類で支柱等が倒れているものは速やかに引き起こす。また、果実は被害程度に応じて摘果する。

・草勢回復のため、液肥の葉面散布や追肥を行う。

・冠水により土壌表面が固着している場合は、中耕し土壌中に酸素を供給することで根部の回復を図る。

・根元が露出している場合は軽く土寄せを行う。

 

5 果樹

<台風接近前の対応>

【全樹種】

・未熟果の収穫は行わず、収穫期に達している果実を速やかに収穫する

 

【ナシなど棚栽培果樹】

果実の落果を防ぐために、あおり止めを設置し、棚、支柱の点検を行って棚面の動揺を防ぐ。

・ネットおよび棚の強度以上の強風が予想される場合はネットをはずす。

 

【カキなど立木果樹】

・強風による倒木や損傷を防止するため、支柱等により主幹や主枝を固定する。特に幼木や根の浅い樹種は倒木しやすいので注意する。

・枝の揺れによる果実の傷や落果を防ぐため、風当たりの強い部位の枝を中心に支柱の点検、補強、設置を行う。

 

【ブドウ】

・施設栽培では、強風に備え、「1.共通事項 園芸施設等」を参照に対策をとる。

・雨よけ栽培では、特に風が強い場合は、柱の浮き上がりや倒壊等を防ぐため、ビニールをはずす。

 

<台風通過後の対応>

・倒木した場合は速やかに起こし、支柱等で固定し、土寄せする。枝が裂けた場合は傷口を合わせ結束する。折れた場合は切り戻して癒合剤を塗布する。

・果実が結実しているナシ、カキ等は傷果を摘果する。

・雨風による病気の蔓延や感染を防ぐために、殺菌剤を散布する。

 

6 花き

<台風接近前の対応>

・畝の両端の親支柱や中間支柱をしっかり打ち、中間にタルキグイを入れて補強する。

・畝の横風に対しては1、2本おきに隣りの畝の中間支柱どうしを通路をまたぐようにハウスバンドなどで連結して固定する。

・フラワーネットは頂点から3分の1程度下がったところで支持する。

・収穫間近の場合は、早めに収穫する。

 

<台風通過後の対応>

・茎葉の被害により、病害が発生しやすくなっているので、病害防除を徹底する。

・強風により傾いた花きは、長時間そのままにしておくと曲がって元に戻らなくなるため、速やかに起こす。

 

7 畜産

<台風接近前の対応>

・畜舎や堆肥舎等の施設や保管飼料への雨水の侵入を防ぐ。

・放牧地においては、牧柵等の施設の破損、土砂崩れ等の危険がないか点検を実施する。また、危険と判断した場合は、速やかに牛を牛舎に引き上げる。

・牧草地の浸冠水に備え、牧草地内や周囲に排水溝を設ける。

 

<台風通過後の対応>

・畜舎等の施設に浸水した場合は、すぐに排水し疾病発生予防のため洗浄と消毒を実施し、畜舎等の乾燥に努める。

・侵食や土砂流入が発生した場合は、早急に現状復帰を図り、必要によっては牧草の播種等を行い生産力の回復を図る。

 

お問い合わせ先

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