台風の接近に伴う農作物等の管理対策の徹底

福井県HPより

 

台風の接近に伴う農作物等の管理対策の徹底について

令和4年9月2日

福井県農業総合指導推進会議

 

台風の進路など最新の気象情報の把握に努めるとともに、農作物等の被害防止に向け十分な対策をお願いします。

 

対策のポイント

○強風対策

・ハウスのフィルム、取り付け金具、ハウスバンドの破損や緩みがないかを確認する。また、開口部(入口等)をしっかり閉める。

・果樹の支柱の点検、補強を行う。ナシ棚の「あおり止め」を点検する。

・収穫できる果実は、台風通過前に収穫しておく。

 

○大雨対策

・大豆やそば、野菜、花き圃場は、排水溝の手直し等の排水対策を行う。

・軟腐病等の病害を防ぐため、殺菌剤の散布を行う。

 

1 共通事項

・人命第一の観点から、豪雨・強風の中でのほ場の見回りは、大雨や強風がおさまるまで行わない。

・大雨がおさまった後でも、増水した水路等の危険な場所には近づかない。

・圃場の冠水や浸水を防ぐため、排水溝から速やかに排水されるように崩れた排水溝を掘り直す。特に、毎回、冠水や浸水する圃場は、重点的に排水対策を実施する。

・台風通過後、適切な病害虫防除を実施する。

 

2 園芸施設等

<通過前>

・ハウスへの風の侵入による浮き上がりや変形を防ぐため、フィルム、取付金具、ハウスバンド等の破損や緩んでいる箇所がないか確認し、早急に修繕する。また、風が強くなってきたら天窓、サイドビニール、入口を閉める。

・パイプの埋め込みが浅くなっていないか確認し、浅い場合は、土を入れて締め固める。

・周囲の防風ネットも飛ばされないように、再点検、補強を行う。風により飛ばされやすいものは片づけておく。

・換気扇がある場合は、稼働させてハウス内を負圧にする。

 

<通過後>

・施設、機器の点検を行い、破損した場合は早急に修繕する。

・圃場内の停滞水は、排水ポンプや溝切り等により、速やかに排水する。

・ハウスの換気を行いハウス内の適切な温湿度管理に努める。

・葉色等を観察しながら適宜追肥を行い、生育の回復に努める。

・マルチ栽培では畝内が水分過多となりやすいので、マルチを除去したり、畝肩までめくり上げたりして、土を乾かす。

・土壌表面が固くしまった場合は、軽く中耕し、表土の通気をよくする。

・台風通過後、速やかに葉かび病等の防除を行う。

 

3 水稲

<通過前>

・速やかに排水できるように、排水溝や落水口を確認し、手直しする。

 

<通過後>

・速やかに排水する。

・風台風の場合は籾の乾燥が進むため、水分を確認し適期に収穫する。

・水分が低下した籾の乾燥工程は、低温または無加温とする。

 

4 大豆、ソバ

<通過前>

・速やかに排水できるように、排水溝や落水口を確認し、手直しする。

 

<通過後>

・速やかに排水する。

 

5 野菜(露地)

<通過前>

・排水溝の手直し等排水対策を行う。特に雨水が排水桝から排水されているかどうか、暗渠の蓋が閉まっていないかどうかを目視で必ず確認する。

 

<通過後>

・排水溝や落水口の手直しにより、速やかに排水する。冠水した場合は、排水ポンプの活用や溝切り等を行う。

・軟腐病等の病害予防のため、殺菌剤を散布する。

・被害の拡大を防止するため、罹病株は直ちに抜き取り圃場外に廃棄する

・冠水した場合、葉色等を観察しながら適宜追肥を行い、肥料の流亡による草勢低下を防ぎ、生育の回復に努める。

・強風により倒伏した場合は、株を起こす。

 

6 果樹

<通過前>

・収穫できる果実は収穫しておく。

・枝の揺れによる果実の傷や枝折れを防ぐため、支柱等の点検、補強、設置を行う。

・ナシ等の棚栽培では、風による棚面の動揺を防ぐため、棚の「あおり止め」などの点検を行うとともに、枝梢を棚に誘引・結束しておく。

 

<通過後>

・倒木した場合は速やかに立て直し、支柱等にくくりつける。枝が裂けた場合は傷口を合わせ結束する。折れた場合は切り戻す。いずれの場合も癒合剤を塗布する。

・傷果等が発生した場合は摘果を徹底する。

 

7 花き

<通過前>

・フラワーネットの支柱はしっかり打ち直し、中間にタルキグイを増やして補強する。

・畝の横風に対しては1、2本おきに隣りの畝の支柱どうしをハウスバンドで連結して固定する。

・ネットは花の先端から3分の1程度下がったところで支持する。

 

<通過後>

・強風により傾いた花は、茎や花の曲りを防止するため、株を早急に立て起こす。

・株腐れや根腐れを防止するため、畝間の排水を行う。

・病気の発生が懸念される場合は、薬剤散布を行う。

 

8 畜産

<通過前>

・畜舎、施設の損傷、倒壊等を避けるため、必要に応じて補修を行う。

・施設や保管飼料への雨水の侵入を防ぐ。

・準備が可能であれば、停電対策の自家発電機、燃料を確保する。

・放牧地においては、牧柵等の破損、土砂崩れ等の発生する危険がある場合は、速やかに牛を牛舎に引き上げる。

 

<通過後>

・畜舎等が浸水した場合は、すぐに排水し、疾病予防のため洗浄・消毒し、乾燥に努める。

・牧草地で侵食や土砂流入が発生した場合は、早急に原状復帰、生産力回復に努める。

 

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